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判例タイムズ 1290号 (2009年05月01日発売)

判例タイムズ 1290号 (2009年05月01日発売)

判例タイムズ社

記事紹介■ケースブック 民事訴訟活動・事実認定と判断 ——心証形成・法的判断の過程とその解説(1)/瀬木比呂志■座談会当事者は民事裁判に何を求めるのか?(下) …

2096円(税込)

目次

判例タイムズ 1290号 (2009年05月01日発売)

記事紹介

■ケースブック 民事訴訟活動・事実認定と判断
——心証形成・法的判断の過程とその解説(1)/瀬木比呂志

■座談会
当事者は民事裁判に何を求めるのか?(下)
訴訟行動調査と実務との対話 PARTⅠ
/加藤新太郎(司会)
河合幹雄・守屋 明・垣内秀介・前田智彦・永石一郎・須藤典明

◆賃料増減請求訴訟をめぐる諸問題(下)
/山下 寛・上田卓哉・土井文美・森里紀之

■独占禁止法の新たな展開2
3条中心と不公正な取引方法の解体/村上政博

判例紹介

特 報
[刑事訴訟法]
1(東京高裁平20.7.14決定)布川事件第2次再審請求抗告審決定
強盗殺人事件につき刑訴法435条6号に該当するとして再審を開始した原決定が維持された事例

最高裁判例
[情報公開]
1(最高裁第一小法廷平21.1.15決定)
情報公開法に基づく行政文書の開示請求に対する不開示決定の取消訴訟において,不開示とされた文書を検証の目的として被告にその提示を命ずることの許否

[民 法]
2(最高裁第一小法廷平21.1.22判決)
1 金融機関の預金者に対する預金口座の取引経過開示義務の有無
2 共同相続人の一人が被相続人名義の預金口座の取引経過開示請求権を単独で行使することの可否

[刑 法]
3(最高裁第一小法廷平21.2.24決定)
急迫不正の侵害に対する反撃として複数の暴行を加えた場合において,単独で評価すれば防衛手段としての相当性が認められる当初の暴行のみから傷害が生じたとしても,1個の過剰防衛としての傷害罪が成立するとされた事例

行政裁判例
[行政法一般]
1(①東京高裁平19.9.19判決)(②東京高裁平19.9.26判決)
当事者は難民に当たるとの主張が認められず,難民に当たるとした原判決が取り消された2事例

[国家補償法]
2(横浜地裁平20.10.24判決)
勾留中の被疑者の取調べに当たっていた検察官が被疑者に対して「弁護過誤だな」などと弁護人の弁護方針を批判する内容を告知した行為が,当該弁護士に対する関係で国家賠償法1条1項の適用上違法となるとされた事例

[地方自治法]
3(京都地裁平20.9.30判決)
平成14年法律第4号による改正前の地方自治法242条の2第7項所定の弁護士に支払う報酬額の範囲内で「相当と認められる額」を算定するに当たっては,弁護士会報酬規程の直接の適用はなく,その算定は,①事件の内容・性質・難易度,②訴訟活動に要する時間・労力,③弁護士の人数,④同1項4号請求の勝訴によって当該普通地方公共団体が現実に得た利益,⑤同1項4号請求勝訴に対する当該普通地方公共団体の寄与の有無・程度を総合的に考慮して行われるべきであるとされた事例

民・商事裁判例
[民 法]
1(大阪地裁平20.7.29判決)
税理士がその業務の履行に過失があったとして損害賠償責任が認められたが,会計監査法人はその業務の履行に過失はあったものの,税理士の行為とは客観的関連共同性がなく,損害との因果関係もないとされた事例

2(大阪地裁平20.6.10判決)
1 インターネットオークションで購入した中古車につき,メーターの巻き戻しによって実際の走行距離が表示の8倍以上であったことが民法570条所定の「瑕疵」に当たるとされた事例
2 瑕疵修補費用及び弁護士費用は瑕疵担保責任を負う売主が賠償すべき損害には当たらない

3(東京地裁平21.1.28判決)赤白ストライプハウス事件
建物の赤白ストライプ外壁部分は近隣住民の景観利益,平穏生活権を侵害するものではないとして,赤白ストライプ外壁部分の撤去請求を棄却した事例

4(神戸地裁平19.11.13判決)
貸金業法が適用されない継続的金銭消費貸借取引に基づき,消費者金融業者が消費者より利息制限法所定の上限利率を超えた利息による過払金を受領する行為は不法行為にあたる

5(東京高裁平20.11.26判決)
甲と乙の親子関係の存在が人事訴訟における原告の法律上の利益を基礎付けるために必要であるが,乙を甲の子とする戸籍上の記載が真実でない場合における法律上の利益の判断基準

[商 法]
6(東京地裁平20.7.18判決)
1 株式会社の一人株主である取締役が,任務違背行為により会社に損害を与えた場合に,取締役の会社に対する善管注意義務又は忠実義務違反による責任が生じないとはいえないとされた事例
2 株式会社の取締役がその一人株主であった期間に生じた取締役の会社に対する責任が,一人株主であったことにより当然に免除されるか(消極)

[知的財産]
7(知的財産高裁平20.5.30判決)ソルダーレジスト(除くクレーム)事件知的財産高裁大合議事件
1 訂正が,当業者によって,明細書又は図面のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において,新たな技術的事項を導入しないものであるときは,当該訂正は,「明細書又は図面に記載した事項の範囲内において」するものということができるとされた事例
2 いわゆる「除くクレーム」とする訂正が,「明細書又は図面に記載した事項の範囲内において」するものということができるとされた事例
3 訂正における登録商標は,先願明細書に基づく特許出願時において当該登録商標によって特定されるすべての製品を含むものであるということができるから,当該登録商標によって特定された物が技術的に明確でないとはいえないとされた事例
4 いわゆる「除くクレーム」とする訂正において,登録商標の記載を使用して除外部分を表示したことが,特許法施行規則が定める「当該登録商標を使用しなければ当該物を表示することができない場合」における登録商標の使用であるとされた事例
5 本件特許出願に係る発明は当業者が引用例記載の発明に基づいて容易に想到し得たものではないとされた事例

8(東京地裁平19.1.19判決)
1 レコード製作者に付与された著作隣接権としての送信可能化権について,著作権法改正による同権利の創設前に音楽事務所とレコード会社との間で締結された共同制作原盤譲渡契約及び原盤独占譲渡契約における包括的な権利譲渡条項に基づき,音楽事務所からレコード会社への譲渡が認められた事例
2 自己の計算と責任においてレコード原盤に録音した者がレコード製作者であるとされた事例

[諸 法]
9(大阪高裁平20.9.24判決)
転借人が転貸人(賃借人)に提供した敷金をもって転貸人が賃貸人に敷金を提供した場合において同敷金返還請求権を信託目的とする旨の合意をしたとまでは認められないとされた事例

[民事保全法]
10(知的財産高裁平20.9.29決定)
1 特許権に関する仮処分事件につき大阪地方裁判所がした保全取消決定に対する保全抗告事件について,東京高裁(知財高裁)が管轄権を有するとされた事例
2 特許権侵害禁止仮処分決定の後,同特許を無効とする審決があっても,その取消訴訟において同審決が取消しを免れない場合には,仮処分決定を取り消すべき事情変更があるとはいえないとされた事例

[民事執行法]
11(東京高裁平20.11.7決定)
1銀行の特定の普通預金口座に係る普通預金債権及び既発生利息債権を差し押さえるべき債権であるとしつつ,その時的範囲として,「命令送達の時から3営業日以内に上記口座にかかる普通預金債権となる部分(本命令送達の時に存在する預金及び同日を含む3営業日が経過するまでに受入れた金員によって構成される部分)」とした債権差押命令の申立てが,差押債権の特定を欠くとされた事例

刑事裁判例
[刑 法]
1(東京高裁平20.10.23判決)
銃砲刀剣類所持等取締法違反(けん銃及びその適合実包の所持)被告事件の控訴審において,被告人にけん銃等の所持についての概括的かつ未必的故意が認められるとした1審判決を破棄し,被告人には保管していた物の中身がけん銃及びその適合実包である旨の認識があったとは認められないとして,無罪が言い渡された事例

2(東京高裁平19.9.18判決)
1 包括一罪を構成する一連の行為の中間に別罪の確定裁判が介在した場合と刑法45条後段の適用
2 包括一罪を構成する一連の行為が執行猶予付き懲役刑を言い渡した確定裁判の前後にまたがって行われた場合と刑法25条の適用

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