書籍詳細

『Q&A 医療訴訟』

『Q&A 医療訴訟』

大島眞一 著

ー総論ー Ⅰ医療訴訟の現状 Q1医療訴訟の事件数や審理期間,患者側の勝訴率は,どのような状況にあるか。 Ⅱ最高裁判決の位置づけ Q2医療訴訟における最高…

3,000円(税別)

目次

『Q&A 医療訴訟』

ー総論ー
Ⅰ医療訴訟の現状
Q1医療訴訟の事件数や審理期間,患者側の勝訴率は,どのような状況にあるか。
Ⅱ最高裁判決の位置づけ
Q2医療訴訟における最高裁判決は,どのような状況にあるか。
Ⅲ医療訴訟の特徴
Q3医療訴訟は,他の民事紛争と比べて,どのような特徴があるか。
ー実体編ー
Ⅰ医療訴訟の基本的構造
Q4医師(医療機関)と患者はいかなる契約関係にあるか。/Q5患者側が医療機関等に対し損害賠償を請求する場合の訴訟物は何にすべきか。/Q6医療訴訟の基本的枠組みはどうなっているか。/Q7患者側や医療機関側は何を主張立証する必要があるか。
Ⅱ医療行為上の過失(注意義務反)
1 医療水準Q8医師等の過失(注意義務違反)は,どのように判断するか。/Q9過失判断の基準時はいつか。/Q10医療水準と予見可能性・結果回避義務は,どのような関係にあるか。/Q11医療水準と医療慣行は,どのような関係にあるか。/Q12医療水準と医薬品の添付文書は,どのような関係にあるか。/Q13診療ガイドラインとは何か。医療訴訟にいかに役立つのか。
2 過失の主張立証Q14過失の主張立証責任は,いずれの当事者が負っているか。/Q15不作為による過失については,どのように過失を主張するのか。/Q16患者側は,医師等の過失を選択的に主張することは可能か。また,裁判所は,選択的な過失を認定することは可能か。/Q17患者側は,過失としてどの程度具体的に主張しなければならないか。/Q18過失は医学的に立証しなければならないか。/Q19患者側としては,過失者を特定しなければならないか。
3 各医療行為における過失Q20問診に関し医師に過失が認められるのは,どのような場合か。/Q21検査に関し医師に過失が認められるのは,どのような場合か。/Q22集団検診での検査における医療水準は,どのように考えるべきか。/Q23検査を外注に出したところ,その検査機関に過失があった場合, 外注を依頼した医療機関も責任を負うか。/Q24診断に関し医師に過失が認められるのは,どのような場合か。/Q25治療に関し医師に過失が認められるのは,どのような場合か。/Q26投薬に関し医師に過失が認められるのは,どのような場合か。/Q27手術に関し医師に過失が認められるのは,どのような場合か。/Q28療養方法の指導に関し医師に過失が認められるのは,どのような場合か。/Q29病院内で院内感染があった場合,医療機関は責任を負うか。/Q30病院内で患者が転倒して負傷した場合,医療機関は責任を負うか。/Q31不穏な状態にある患者をベッドに拘束することは違法か。
Ⅲ転医義務
1 転医義務Q32転医義務はなぜ認められるのか。/Q33どのような場合に転医義務が生じるのか。
2 開業医の義務Q34開業医の転医義務違反が認められるのは,どのような場合か。/Q35開業医は,いかなる疾患かが診断できない場合でも,転医義務を負うか。
Ⅳ説明義務
1 説明義務の根拠と種類Q36説明義務とは何か。どのような根拠規定に基づいているのか。/Q37説明義務にはどのような種類があるか。/Q38説明義務違反についての主張立証責任は,いずれの当事者が負っているか。
2 自己決定権の前提となる説明義務Q39自己決定権とは何か。/Q40医師は患者の自己決定に従わなければならないのか。/Q41医師は,誰に対して説明し,医療行為の同意を取得すべきか。/Q42医師は,どのような内容の説明をすべきか。/Q43医師は,合併症や副作用については,どの程度説明すべきか。/Q44患者に対してどのような方法で説明すべきか。/Q45説明義務は,どのような場合に免除されるか。/Q46いかなる療法を選択するかの場面で,どのような説明をする義務があるか(未確立の療法や経過観察も考えられる場合の説明義務)。/Q47臨床試験である場合には,どのような説明をすべきか。/Q48説明義務違反と医療行為上の義務違反は,どのような関係にあるか。
3 ライフスタイルに関する説明義務Q49ライフスタイルに関する説明義務とは何か。/Q50患者に対し必ず真実の病名を告知すべきか。/Q51医師において患者の家族に対して説明するのが相当であると考えた場合,誰に対して説明すべきか。
4 宗教的人格権 Q52輸血を拒む意思を表示している患者に対し,手術するにあたりどのような説明をすべきか。/Q53病院に救急搬送されて来た患者が輸血を拒否した場合,医師はその意思を尊重すべきか。/Q54医師が無輸血手術の見込みで手術に臨んだが,予想外の出血に直面して輸血をした場合,医師に責任はあるか。
5 顛末報告義務 Q55顛末報告義務とは何か。/Q56医療機関は死因を解明すべき義務を負うか。
6 まとめQ57説明義務の範囲と医療水準は,どのような関係にあるか。
Ⅴ因果関係
1 高度の蓋然性Q58医療訴訟における因果関係は,どのように判断するか。/Q59因果関係の判断はどの時点の資料に基づいて判断するか。/Q60因果関係の証明度は,どの程度のものを要するか。/Q61因果関係の立証はどのようにして行うか。どの程度立証できると,高度の蓋然性があるといえるのか。/Q62過失行為が不作為の場合,因果関係はどのようにして判断するのか。/Q63医師が適切な医療行為を行っていたとしても,どの程度延命できたかが分からない場合でも,因果関係は認められるか。
2 相当程度の可能性Q64相当程度の可能性理論とは何か。/Q65相当程度の可能性理論は重大な後遺症にも適用されるのか。/Q66相当程度の可能性理論は,なぜ認められるのか。/Q67相当程度の可能性理論について,どの程度の可能性が認められると適用されるのか。/Q68相当程度の可能性は,いかなる程度に立証しなければならないのか。/Q69相当程度の可能性理論は,重大でない後遺症や説明義務違反にも適用されるか,医療事故以外についてはどうか。/Q70相当程度の可能性につき患者側が主張していない場合,相当程 度の可能性を侵害したと認定することはできるか。
3 期待権侵害Q71相当程度の可能性も認められない場合,適切な治療を受ける期待を侵害したことによる損害賠償は認められるか。
4 まとめQ72結局,因果関係について,最高裁判決の枠組みはどのように理解するとよいか。
Ⅵ損害
1 概説Q73医療訴訟の損害はどのように算定されるのか。
2 医療行為又は転送義務違反による損害Q74医療行為又は転送義務違反による損害として,何が認められるか。
3 説明義務違反による損害Q75説明義務違反による損害としては,どのような場合があり,いかなる損害が認められるか。/Q76適切な説明がされていれば当該医療行為を受けなかった場合とは,どのような場合か。/Q77自己決定権侵害による損害は,どのように算定されるか。/ Q78宗教的人格権侵害による損害は,どのように算定されるか。/Q79顛末報告義務違反による損害は,どのように算定されるか。
4 相当程度の可能性侵害による損害Q80相当程度の可能性侵害による損害は,どのように算定されるか。
5 過失相殺Q81医療訴訟において過失相殺は,どのような場合に適用されるか。/Q82医療訴訟において素因減額される場合はあるか。
6 交通事故と医療過誤の競合Q83交通事故と医療事故が競合した場合,交通事故の加害者と医師等の責任の関係はどうなるか。
Ⅶ特色ある医療類型
1 チーム医療Q84チーム医療においては,誰がいかなる責任を負うか。
2 救急医療Q85救急医療における医療水準は,どのように考えるか。/Q86医療機関が救急患者の受入れを拒んだ場合,医療機関は責任を負うか。
3 先駆的医療(試行的医療)Q87先駆的医療はどのような場合に認められるか。また,先駆的医療を説明すべき義務はあるか。
4 予防接種Q88予防接種禍による損害賠償は,どのような場合に認められるか。/Q89損害賠償と予防接種法による損失補償とは,どのような関係にあるか。
5 美容整形Q90美容整形は,通常の医療行為と比べて,どのような特質を有しているか。
6 精神科医療Q91精神科医療は,どのような特質を有しているか。
ー手続編ー
1 訴え提起前Q92患者側弁護士としては,医療事件を受任した場合,まず何をすべきか。/Q93患者側弁護士はどのようにしてカルテを入手するか。/Q94医学的知見の調査は,どのようにして行うか。/Q95医学用語を理解する上での留意点は何か。/Q96調査の結果,医療機関側の法的責任について一定の心証を持った場合,その後どうすべきか。/Q97医療機関側から相談を受けた弁護士は,どう対応すべきか。/Q98医師に過失があったとして損害賠償を請求する場合,患者側として,誰を相手に訴えるとよいか。
2 訴え提起後Q99医療訴訟において訴状,準備書面等は,どのように記載すべきか。/Q100証拠の提出方法の留意点は何か。/Q101適切な医学文献がない場合は,どうすべきか。/Q102争点整理手続はどのように行われるか。/Q103診療経過一覧表とは何か。/Q104争点整理案とは何か。/Q105専門委員制度はどのような場合に活用されるか。/Q106人証調べはどのように行われるか。/Q107鑑定はどのような場合に行われるか。鑑定の方法はどのようなものか。/Q108鑑定書や私的意見書の評価は,どのようにして行うか。/Q109医療訴訟における和解の留意点は何か。
3 まとめQ110今後の医療訴訟は,どのような方向に進んでいくのか。
事項索引・判例索引