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判例タイムズ 1344号 6/1号 (2011年05月25日発売)

判例タイムズ 1344号 6/1号 (2011年05月25日発売)

判例タイムズ社

●記事紹介刑事損害賠償命令の概要と大阪地方裁判所(本庁)における運用状況について/和田 真判例展望民事法49倒産手続における別除権をめぐる裁判例と問題点/杜下弘…

2096円(税込)

目次

判例タイムズ 1344号 6/1号 (2011年05月25日発売)

●記事紹介

刑事損害賠償命令の概要と大阪地方裁判所(本庁)における運用状況について/和田 真

判例展望民事法49
倒産手続における別除権をめぐる裁判例と問題点/杜下弘記

企業間取引訴訟の現代的展開4
企業間の訴訟における過失相殺規定の運用状況/若松亮

独占禁止法の新たな展開22
多摩地区入札談合(東京都新都市建設公社)事件13判決の意味するもの(上)/村上政博

ブック・レビュー
瀬木比呂志著『民事訴訟実務入門』/遠藤賢治

ブック・レビュー
山本和彦=須藤典明=片山英二=伊藤尚編『文書提出命令の理論と実務』/加藤新太郎

●判例紹介

特 報
[憲 法]
1(最高裁大法廷平23.3.23判決)
1 衆議院小選挙区選出議員の選挙についてのいわゆる1人別枠方式を含む区割基準を定める衆議院議員選挙区画定審議会設置法3条及び同基準に従って選挙区割りを定める公職選挙法13条1項,別表第1の各規定の合憲性
2 衆議院小選挙区選出議員の選挙において候補者届出政党に選挙運動を認める公職選挙法の規定の合憲性

速 報
[民 法]
1(東京地裁平23.2.10判決)
担当医の常用量を上回る処方指示について,調剤・監査を行った薬剤師が疑義照会義務を怠った場合,薬剤師にも不法行為責任が認められる

最高裁判例
[民 法]
1(最高裁第二小法廷平23.2.18判決)
簡易生命保険契約の保険金受取人が無断で保険金等の支払を受けた者に対し不法行為に基づく損害賠償を請求する場合において上記の者が損害の発生を否認して請求を争うことが信義誠実の原則に反し許されないとされた事例

2(最高裁第二小法廷平23.2.25判決)
適切な医療行為を受ける期待権の侵害のみを理由とする整形外科医の不法行為責任の有無を検討する余地がないとされた事例

3(最高裁第三小法廷平23.2.22判決)
「相続させる」旨の遺言により遺産を相続させるものとされた推定相続人が遺言者の死亡以前に死亡した場合における当該遺言の効力

行政裁判例
[国家補償法]
1(大阪地裁平22.11.29判決)
国税職員が関税法違反嫌疑事件の調査関係資料を流出させたことについて,当該情報の管理責任者の注意義務違反が認められ,国家賠償請求が一部認容された事例

労働裁判例
[個別的労働関係]
1(東京地裁平22.10.4判決)
従業員が,終業時間後に勤務先事業所近くの体育館で開催された従業員会主催のバドミントン大会に参加し,その帰宅途中に遭った交通事故について,通勤災害とは認められなかった事例

民・商事裁判例
[民 法]
1(東京高裁平22.9.30判決)
グループホームにおいて認知症対応型共同生活介護を受けていた高齢者が嘔吐,下痢等の症状を呈した後入院先の病院で死亡した事案において,グループホームを運営する法人の損害賠償責任が否定された事例

2(東京地裁平22.6.10判決)
1 犯罪被害者及びその親族又は遺族にとって個人の尊厳が尊重され,その尊厳にふさわしい処遇を保障されることは法律上保護に値する利益であり,私人との関係でこのような法律上保護に値する利益が侵害されたと評価できる場合には,民法上の不法行為が成立し得るとした事例
2 加害者の両親である被告らが,刑事裁判の際に被害者の遺族である原告らに対し謝罪の申入れをしたり,謝罪や被害弁償をしたい旨を情状証人として証言したが,刑事裁判の確定後に謝罪や被害弁償等の行動をとらなかったことについて,被告らには,原告らの被害者遺族としての尊厳を踏みにじらないよう配慮すべき法的義務があるとまではいえないとした事例

3(東京高裁平22.4.7判決)
銀行口座・証券顧客口座開設,生命保険契約の締結に他人の氏名を無断使用したことが人格的利益を侵害する不法行為に当たるとして3万円の慰謝料が認められた事例

4(東京高裁平22.10.20判決)
1 交通事故の被害者について,低髄液圧症候群の発症が認められなかった事例
2 因果関係について,裁判官の心証の程度による段階的認定が認められなかった事例

5(大阪地裁平23.1.31判決)
肺がんの治験に参加した患者が,治験薬投与から約1か月後に死亡したことについて,当該治験薬の投与及び当該治験の説明に関する医師の注意義務違反が否定された事例

6(千葉地裁平22.10.28判決)
NHKとの間のカラー放送受信契約の締結が民法761条所定の「日常の家事に関する法律行為」に当たるとされた事例

[知的財産]
7シルバーヴィラ事件(東京地裁平22.7.16判決)
登録商標を「シルバーヴィラ」とする商標権を有し,かつ,「シルバーヴィラ向山」との名称の老人ホームを運営する原告の,「シルバーヴィラ揖保川」等の名称で介護保険に係る施設を開設・運営する被告に対する,不正競争法に基づく「シルバーヴィラ」の標章の使用の差止請求及び商標権侵害に基づく損害賠償請求の一部が認められた事例

8(知的財産高裁平22.8.4判決)
法人等と業務に従事する者との間に雇用関係があり,法人等の業務計画や法人等が第三者との間で締結した契約等に従って,業務に従事する者が所定の職務を遂行している場合には,法人等の具体的な指示あるいは承諾がなくとも,業務に従事する者の職務の遂行上,当該著作物の作成が予定又は予期される限り,著作権法15条1項にいう「法人等の発意」の要件を満たす

[民事執行法]
9(東京高裁平22.5.28決定)
信用金庫の出資持分権につき譲渡命令を発令する場合において,評価人による評価を経ずに,当該譲渡価額を決定することの可否について判断(積極)した事例

[倒産処理法]
10(横浜地裁川崎支部平22.4.23判決)
財団債権である破産者の従業員が有する未払給与債権について,これを立替払した者が取得する求償債権及び弁済によって代位取得する原債権が財団債権に当たるか(積極)

刑事裁判例
[刑 法]
1(東京地裁平22.4.22判決)
裁判員裁判事件として審理された強姦致傷,強姦事件の被告人について,先行して別件強盗殺人未遂等事件で起訴されており(裁判員制度施行前に起訴されたもの),一括審理が可能であったが,裁判員の負担が考慮されて併合されず,別件につき懲役25年の判決が確定したという経緯を考慮した上,一括審理していれば懲役30年が上限であるから本件において懲役5年を超える刑を宣告することはできないとする弁護人の主張を排斥し,懲役7年に処するのが相当とされた事例

[特別刑法]
2(東京高裁平22.4.27判決)
被告人が覚せい剤代金として得た1万円札1枚が,他の1万円札と一緒に財布に入れられるなどして特定できなくなり,さらにそこから1万円札1枚が任意提出され,残余の現金が別途保管されるなどの判示の事実関係の下においては,任意提出された1万円1枚及び残余の現金から成る混和財産から混和に係る不法財産の額である1万円を没収すべきであるとして,被告人から同額を追徴した原判決を破棄した事例

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