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記事紹介民法判例レビュー〔第2期〕第106回■今期の主な裁判例 [契 約] 平林美紀 [担 保] 堀 龍兒 [不動産] 原田純孝 [民事責任] 大塚 直 [家 …
2096円(税込)
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判例タイムズ 臨時増刊1312号 (2010年02月10日発売)
記事紹介
民法判例レビュー〔第2期〕第106回
■今期の主な裁判例
[契 約] 平林美紀
[担 保] 堀 龍兒
[不動産] 原田純孝
[民事責任] 大塚 直
[家 族] 床谷文雄
■判例評釈
[契 約]
譲渡禁止の特約に反して債権を譲渡した債権者が同特約の存在を理由に譲渡の無効を主張することの可否/円谷 峻
[民事責任]
麻酔薬投与の過誤と患者の死亡との間の因果関係/加藤新太郎
[家 族①]
藁の上からの養子に対する親子関係不存在確認請求と権利濫用/本山 敦
[家 族②]
子の引渡しに関する2つの裁判例
1 一方の共同親権者の監護下にある未成年者を他方が違法に連れ去った場合における子の引渡しを求める審判前の保全処分(東京高決平20.12.18家月61巻7号59頁)
2 子の引渡事件の執行力のある債務名義の正本に基づき,1日につき3万円の間接強制金の支払を命じた事例(東京高決平20.7.4家月61巻7号53頁)
/山口亮子
判例紹介
行政裁判例
[行政法一般]
1(東京高裁平21.8.5判決)
旧軍人として戦病死した亡夫が無断でした協議離婚の届出により亡夫の戸籍から除籍されていた妻の旧恩給法72条1項の「遺族」としての恩給(公務扶助料)の受給権は,離婚無効の判決が確定して戸籍の訂正がされるまでの間,その権利の行使について法律上の障害があり,時効消滅しないとされた事例
2(東京地裁平21.4.17判決)
メニエール症候等の傷病を有する者につきその初診日が確定できないという理由でされた特別障害給付金の不支給決定が取り消された事例
[国家補償法]
3(大阪高裁平20.9.26判決)大和都市管財国家賠償請求訴訟控訴審判決
1 財務局長が抵当証券業の規制等に関する法律8条1項に基づいてした抵当証券業者に対する更新登録が,本件の具体的事実関係の下では,許容される限度を逸脱して著しく合理性を欠き,国家賠償法1条1項の適用上違法であるとして,国が,これにより被害を受けた者の財産的損害の賠償責任を負うとされた事例
2 上記場合の損害額は,更新登録後に,現実に抵当証券業者に払い込んだ抵当証券の購入代金相当額から,抵当証券の担保物件等からの回収額や抵当証券受取利息額を控除した差額(実損害額)であり,その額に対し,6割の過失相殺を行うのが衡平であるとされた事例
民・商事裁判例
[民 法]
1(東京地裁平21.5.26判決)
私道の所有者からの近隣土地所有者に対する私道上のコンクリート舗装の原状回復工事についての妨害予防請求等が認められた事例
2(東京地裁平21.2.6判決)
宅地として売買された土地の地中に井戸が存在したことが隠れた瑕疵に当たるとして売主の瑕疵担保責任が認められた事例
3(東京高裁平21.7.29判決)
弁護士が債務弁済契約公正証書を作成の上債権差押・転付命令を取得して債権回収を図る過程で結果として債権の水増しを見過ごした場合,弁護士懲戒請求者において,弁護士が当初から水増し代金等の存在を認識していたと疑ったことは無理もないところ,当該懲戒請求が事実上の根拠を欠くものとはいえず,不法行為を構成しないとされた事例
4(仙台地裁平21.2.26判決)
不貞行為をした妻の夫に対する財産分与の合意,慰謝料の支払約束は,その自由意思に基づいたものではないから,無効であるとされた事例
[知的財産]
5(知的財産高裁平21.6.25判決)
指定商品を「レーザー光照射型混入異物検査装置」とする「Laser Eye」なる商標は,指定商品に「牛乳殺菌機」を含む「レーザーアイ/LASER EYE」なる登録商標との関係で,商標法4条1項11号に該当する
[民事執行法]
6(東京高裁平21.9.8決定)
担保不動産収益執行の手続が開始されている不動産について担保不動産競売の開始決定前の保全処分の申立てがされた場合に,担保不動産収益執行の管理人に使用を許すことを命ずることはできないとして,申立てを一部却下した原決定が維持された事例
7(東京高裁平21.8.19決定)
1 承継執行文付与の要件である承継事由の欠缺をいう場合は,執行文付与に対する異議の申立て又は訴えによらなければならず,債権差押命令及び転付命令に対する執行抗告の理由とはならないとされた事例
2 差押債権の不存在又は消滅は,債務名義に基づく債権差押命令及び転付命令に対する執行抗告の理由とはならないとされた事例
8(東京高裁平21.6.29決定)
雇用関係の先取特権に基づく債権差押命令の発令において,被担保債権及び請求債権(未払賃金)から所得税等の税金や社会保険料を控除する必要はないとされた事例
9(東京高裁平21.5.8決定)
物件明細書中の「買受人が負担することとなる他人の権利」の欄において,賃借人として記載された法人と同一商号の法人が複数存在していたとしても,本件における物件明細書の記載のほか,評価書の記載も合わせれば,当該売却物件の権利関係に影響を及ぼす情報の提供としては十分であり,本件物件明細書の記載に重大な誤りがあるとはいえないと判断された事例
[倒産処理法]
10(名古屋高裁金沢支部平21.7.22判決)
公共工事の請負者が,保証事業会社の保証の下に地方公共団体から前払金の支払を受け,預託金融機関に預金していたところ,工事続行が不可能となり請負契約が解除され,請負者が破産宣告を受けた場合,破産宣告後に行われた公共工事の出来高確認により地方公共団体へ返還されるべき前払金が存在しないことが確認されるまでは,前払金に係る預金払戻請求権が破産財団に帰属したものとはいえないから,預金払戻請求権と当該金融機関の請負者に対する破産債権たる貸金債権との相殺は,破産法71条1項1号の相殺禁止条項により行うことができない
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